クワ (マグワ、カラヤマグワ、カラグワ、トウグワ) バラ目クワ科 Morus alba
クワ (横浜市旭区今宿南町)
2022/06/11
クワ科は同じ木とは思えないほど葉の形が違っている。葉や実などで識別する方法はあるが、クワは古くから養蚕のために様々な品種改良が行われており、野生化したものからも変種や雑種が産まれるそうだ。観察だけでは明確に線引できないかもしれない。
クワ (横浜市旭区希望が丘水の森公園)
2022/06/25
画像検索ソフトを使えば簡単に植物が判るものと思っていたが、ソフトは写真からサンプリングした画像をデータベースとパターン照合して紐づいた説明から種名を引っ張り出しているだけなので、撮った部分や精度によって結果が変わるどころか、植物名が出ないこともある。
クワ (横浜市旭区希望が丘水の森公園)
2022/06/25
確認すべきは目の前にある植物で、確認するのは自分自身である。ネット上の写真は種名が同定できているものもあれば属名程度のものもある。そこから似たものを取捨選択するにしても自分で確認できなければ意味がない。つまり、仕事と同じで試行錯誤しながら実践経験を積んでいくしかない。
クワとトウネズミモチ (東京都大田区平和の森公園)
2022/06/28
公園入口の「ねずみもち」は左隣のクワの木と枝が交錯しており、行きは混じり合って緑色の茂みにしか見えない。往来の多い狭い歩道からの曲がり角なので注意ももっばら柵や人に向く。帰りには「ねずみもち」全体が目に入るが、通り向かいの消防署や環七通りの車列の方が目に入りやすく、立ち止まれば通行の邪魔になる。ねずみもちという言葉は聞いたことがなく初めは見たこともない植物と思って、名前を憶えるどころか名札の存在すら忘れてしまい、多くの木と同様に通勤風景の中に埋もれていた。
クワ (横浜市旭区希望が丘ふれあいの森公園)
2022/07/03
日本中のほとんど至るところにクワは生えている。それだけに雑草のように見過ごすことが多い。マグワは中国原産の栽培種だが、ヤマグワ、シマグワ、オガサワラグワなど数種は在来種である。養蚕農家は在来種も交雑させて、さらに手入れ無用の強い栽培品種を産み出してきた。
クワ (横浜市旭区鶴ヶ峰本町)
2022/10/22
クワの幼木は雑草と入り混じってどこにでも生える。その果実は様々な鳥に啄まれて種子が運ばれるため、おそらく町中で最もよく見かける樹木の一つになっている。
クワ (横浜市旭区今宿南町)
2023/04/01
今では意図してクワを植えようとする人はいなくなってきた。養蚕のために改良されてきたカイコは人が管理しないと死に絶えてしまうが、クワの方は自生種であり、しかも農産物として強い品種が維持されてきたため、当分消え去ることはなさそうである。
クワ (横浜市旭区中希望が丘)
2023/04/06
かつて養蚕が盛んだった頃の桑畑は今では見られないが、元々自生種である。成長すれば3~10m程度にまでになるが、幼木は雑草の生えるような場所なら都市部の道端でも見られる。
クワの果実 (横浜市旭区今宿東町)
2023/04/16
マグワの果実は比較的小さい。そもそも無数の木は見えていても、1つ1つがどんな木でどんな花や実があるかといったことは、焦点を合わせようとしない限りは見えてこないものではある。
クワの果実 (横浜市旭区今宿東町)
2023/04/16
子供の頃にクワを見たことがあっても、その後を見過ごし続ける人もいれば、時折気づく人もいるだろう。見れば分かる人もいる一方では、見ても雑草や雑木で片付ける人もいる。この認識の差は年齢を重ねるにつれて膨大になり、見えている現実はもはや完全に別次元のものへと乖離していく。
クワのハラグロオオテントウの幼虫 (横浜市旭区今宿南町)
2026/05/09
帰って調べると、ハラグロオオテントウの幼虫である。桑の葉が丸まっているのはクワキジラミの仕業で、それが主食らしい。つまりは、葉巻の中に頭を突っ込んで食事中ということである。ハラグロオオテントウはシラミやアブラムシ、小さな幼虫なども食うようで、エノキやクヌギ、カシ類の葉上でも見つかるかもしれない。
クワのハラグロオオテントウの幼虫 (横浜市旭区今宿南町)
2026/05/09
ハラグロオオテントウ(腹黒大天道)の幼虫は最大で2センチにもなる。西日本以南に生息する昆虫だが、2010年代後半ぐらいからは川崎市や横浜市でも記録されている。キジラミは桑に新芽が出来るのは4月後半頃から6月頃で、ハラグロオオテントウの活動時期も同時期となる。
クワのクシコメツキ (横浜市旭区今宿南町)
2026/05/10
「クシコメツキ」と名がつく種類は、触角や脚の先(爪)が櫛状になっていることが挙げられる。上から見て、背の縦線は共通項だが、クシコメツキの場合、これが深く、線ではなく点状に連なっているように見える。細かく写っていれば、前胸部の中央に縦線や凹みがあるか無いか、毛の多少や色といった違いもわかることがある。
クワのアオバハゴロモの幼虫 (横浜市旭区今宿南町)
2026/05/31
一見すると抜け落ちた鳥の羽毛が付着しているように見えるが、接近すると動き出始める。褐色か黒い点のような目以外はほとんど真っ白なのがアオバハゴロモの幼虫の特徴で、ごく小さなセミのような身体付きをしている。
クワのアオバハゴロモの幼虫 (横浜市旭区今宿南町)
2026/05/31
チュウゴクアミガサハゴロモかアオバハゴロモの幼虫は、様々な植物の茎や枝で見かける。どちらも遠目からは見分けにくい。基本的には同じ種が固まっているが、それはそこに産み落とされたからに過ぎず、たまたまチュウゴクアミガサハゴロモが卵を産み付ければ混在することもある。
クワのチュウゴクアミガサハゴロモ (横浜市旭区下川井町)
2026/06/14
チュウゴクアミガサハゴロモは、中国か韓国などから輸入された苗木から、検疫をすり抜けた卵によって国内に入り込んだと見られている。翅の縁に三角形または半円形に透けた紋がついているのが特徴で、在来種のアミガサハゴロモは、この紋が不透明の白色で円形か四角形に近い。
クワのチュウゴクアミガサハゴロモ (横浜市旭区下川井町)
2026/06/14
どれほど検疫を厳しくしていても、菌類や昆虫の卵、微細な種子、そして病原菌やウイルスも国内に入り込む。防ぎ切ることもできず、一端入り込めば拡散を防ぐために膨大な費用がかかる。病害虫や外来種の問題は、ほぼ全て人間側の都合が引き金で、生物自身の問題ではない。
クワのベッコウハゴロモ (横浜市旭区今宿南町)
2026/08/01
ベッコウハゴロモの食草は幅広く、様々な植物の樹液を吸う。日本にはハゴロモの仲間は数種から十数種しか確認されておらず、最近はチュウゴクアミガサハゴロモばかり見かけるので、自分としては、比較的珍しいハゴロモということになる。
クワ (川崎市幸区さいわいふるさと公園)
2026/09/14
この公園には、樹高1~2mの幼木ばかりが十数株生えている。わざわざ植えたわけではなく、植えるわけもない。鳥が運んだ種子が発芽したものだろう。川崎市では現在養蚕を行っている農家はない。昭和30~40年代までに姿を消したそうである。
クワ (川崎市幸区さいわいふるさと公園)
2026/09/14
クワは最もありふれた雑木の一つで、日当たりの良い場所にはどこにでも生えている。道端のアスファルトやコンクリートの割れ目でも、わずかな養分と水分さえあれば根を張る。むしろ、現代のほうが目にする。定期的に除伐が行われる公園や舗装路沿いは、生育環境として適合しているようである。
Yellow Roof 's Museum