Yellow Roof 's Museum
トウネズミモチ シソ目モクセイ科 Ligustrum lucidum
トウネズミモチ (東京都大田区平和島公園) 2022/05/24ネズミモチの果実は1センチぐらいの俵型で、緑色のうちはちょっと引っ張ったぐらいでは取れないが、秋に濃い紫色になってくると房を掴むだけでヘタごとポロリと取れる。道に落とせば跳ね回る弾力があり、塀に強く投げつければ弾けて紫色の汁が付く。小学校からの帰り道で手持ち無沙汰に小さな黒い実を集めては手の中で転がしながら歩いていた。生垣にしている家が何軒もあ+た。しかし、これがネズミモチかトウネズミモチかはこの写真では判らない。
トウネズミモチとニワウルシの花 (東京都大田区平和島公園) 2022/06/14長い歩道橋からは無数の植物を見下ろすことができる。夏が近づくと毎年赤い花と淡黄色の花を目にしていた。しかし、通り過ぎるだけで名を知ろうとはしてこなかったし、花の時期以外はただの雑木でしかなかった。
トウネズミモチの花 (東京都大田区平和の森公園) 2022/06/15トウネズミモチの薬学情報には葉や実の部分的な化学成分や化学式がある。類似画像検索では植物名が簡単に手に入り、類似種との違いや変種や雑種、環境や季節、成長変化などの情報を得ることもできる。しかし、現実に判断したり確認できた情報以外は想像でしかない。
トウネズミモチの花 (東京都大田区平和島公園) 2022/06/23公園の入口のねずみもちと歩道橋から見下ろす木が同じ植物らしいと分かってきたのは何日も経ってからのことで、そうしてやっとねずみもちがありふれた樹木であることに気づき出した。
クワとトウネズミモチ (東京都大田区平和の森公園) 2022/06/28公園入口の「ねずみもち」は左隣のクワの木と枝が交錯しており、行きは混じり合って緑色の茂みにしか見えない。往来の多い狭い歩道からの曲がり角なので注意ももっばら柵や人に向く。帰りには「ねずみもち」全体が目に入るが、通り向かいの消防署や環七通りの車列の方が目に入りやすく、立ち止まれば通行の邪魔になる。ねずみもちという言葉は聞いたことがなく初めは見たこともない植物と思って、名前を憶えるどころか名札の存在すら忘れてしまい、多くの木と同様に通勤風景の中に埋もれていた。
入口反対側のトウネズミモチ (東京都大田区平和の森公園) 2022/07/19似たような花を咲かせた樹木が通勤路のあちこちにあり、それどころか通勤電車の窓から気付くようになっていた。目には入っていても気づかないのは識別力がないためであり、識別力がなければ気づかないので知らないということになる。
ポールとトウネズミモチ (東京都大田区平和の森公園) 2022/07/19公園への曲がり角には金属製のポールが立っている。一見すると街灯に見えるが、ポールの先は絶縁器具の碍子であり、これは電設引込用ポールである。植物観察による識別力の向上は様々な発見に繋がり、現実が日に日に違って見えてくる。そうしたことは充実感として自覚され、外を歩いたり見ることが愉しみになる。
黒柵の中のトウネズミモチと張り紙 (東京都大田区平和の森公園) 2022/08/02入口辺りにカラスがよくいるのはエサを探しているからだろう。ここにはエサとなる木の果実もあるが、ハシブトガラスは主に肉食だから魚や昆虫なども食うし、猫の食うようなものは大概食べる。池が汚れるとか衛生上の観点からといった理由で、この公園には餌やりを禁止する看板がある。特にネコにエサやり禁止の看板はあちこちにある。東京都だけでも野良猫は10万匹ぐらいはいるらしい。衛生上の理由ではあるだろうが、年に2万匹の猫が殺処分されているのが現実で、そのうち4分の3が野良猫である。(
犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況:環境省)餌をやって猫を繁殖させているのも人間なら殺すのも人間で、野良猫を可愛がる人もいれば苦情を訴える人もいるし、引き取って育てる人もいれば殺処分する人もいる。
トウネズミモチの葉を食べるアオドウガネ (東京都大田区平和島公園) 2022/08/05トイレ棟の前のトウネズミモチにはコガネムシが何匹もたかっていた。葉を食べているようだ。虫食いの葉が多いことには気づいていたが、裏にアゲハチョウの幼虫か何かがいるかもしれないと思って近づいたら何匹もの甲虫が目に入った。おそらくこれまでにも視界に入ってはいたかもしれないが、まったく気付くことはなかった。通り過ぎる植物の1枚の葉すらよく見ていないのに、その葉の上にいる2センチばかりの緑色の甲虫である。葉の裏にはもっとたくさんコガネムシがいるに違いない。
トウネズミモチの葉を食べるアオドウガネ (東京都大田区平和島公園) 2022/08/05コガネムシは幼虫は根を成虫は葉や茎を食い荒らすので害虫と言われている。胴の丸みや大きさで緑色のコガネムシで済ませていたが、昔よく見たコガネムシは同じ形でもたいてい十円銅貨のような色をしていた。調べてみると沖縄にも生息している南方系の昆虫で、段々と北上してきているらしい。夜行性のようだが、これは曇り空の朝8時前である。コガネムシ科のアオドウガネブイブイともアオドウガネとも呼ばれるこの昆虫は、ここ10年で何十匹と見かけているが、大抵は植物の上ではなく道端に転がって死んでいるものだ。
トウネズミモチの大木 (東京都大田区平和の森公園) 2022/08/09Googleレンズその他の画像検索ソフトで調べてもこの木はなかなか特定できない。写真によってネズミモチだったり、トウネズミモチだったり、まったく別の植物名も出る。Googleレンズの結果は、類似画像のランキング表示であり100%の結果ではない。それはGoogleレンズの公式説明に書かれている。自分に判断力がなければ信じるか当たり外れになる。語句をプラスして検索する「マルチ検索」をGoogleが最近発表したが、思い込みによる誤りが確信に変わるだけかもしれない。
トウネズミモチの若い果実 (東京都大田区平和の森公園) 2022/08/22盆休みが明けると「ねずみもち」の花はほとんど青い実に変わっていた。この青い実は自分の思い出にある実とは形も大きさも違う。これほど鈴なりでもなかった。おそらくこれはトウネズミモチだろう。
トウネズミモチの葉 (東京都大田区平和島公園) 2022/08/23いつも小休止している場所の樹木は歩道橋の脇道だからほとんど人が通らない。そこでようやく葉を透かしてみようと思い立った。トイレ棟の前の木は高さ4メートルほどあり、上の方の枝はまっすぐ光を求めて棒立ちしている。葉も長いもので12センチはあり一番勢いがある木だが、花も咲かず実も付けなかった。この葉を1枚失敬してみると見事に側脈が裏表とも透けて見えた。トウネズミモチである。
ねずみもちの名札 (東京都大田区平和の森公園) 2022/08/31公園の名札は平仮名の「ねずみもち」で「もくせい科」と書き添えられていたと思われる跡がある。仮にこの木がトウネズミモチだとしても形式に従えば「ねずみもち」は誤りとは言えない。学名はカタカナで書く決まりがあり、ひらがなや漢字で書かれている場合には普通名詞か通称、あるいはネズミモチの一種ぐらいの意味になる。モクセイ科イボタノキ属の果実はどれもこれもよく似ているし、他にも似た植物がたくさんある。
トウネズミモチの剪定跡 (東京都大田区平和島公園) 2022/09/13トウネズミモチは生命力が強く成長も早い。強剪定しようが伐採しようが、抜根しない限りは若枝を生やす。野生化したものはあちこちにあり、ヒヨドリやムクドリが都市部で増加した一因としてトウネズミモチが挙げられるほどたくさんの果実を付ける。
トウネズミモチの伐採跡 (東京都大田区平和島公園) 2022/09/13樹木は植え過ぎれば日照条件が悪くなり成長が阻害され、病虫害が起きやすくなり、枯死に繋がる可能性も出てくるので手間がかかる。花や実で虫や鳥が集まりすぎても都市部では問題になる。なるべく常緑で花も実も付けない方が清掃の手間が減り、排水設備の故障も減る。もちろん植物が少ないほど虫害や鳥害も減り、維持管理費も減る。
トウネズミモチの果実 (東京都大田区平和の森公園) 2022/09/30ねずみもちの名札は平和の森公園入口の1つしかない。現実の植物は写真ではなく図鑑でもなく初めから名前があるわけでもない。名札があって名前を憶えても見分けたことにはならない。まずは様々な植物に接して見たことがある植物かどうか判るようになるまで、実践で自分の能力を磨いていかないと植物の識別などできるわけがない。
トウネズミモチの果実 (東京都大田区平和の森公園) 2022/11/21トウネズミモチの青い実は3ヶ月を経てようやく紫色に変わってきた。果実の色が変わるのは紅葉と同じ仕組みである。
【植物が紅葉するメカニズムとは?】に簡略な説明があるが、まず葉緑体が分解されていき黄色のカロテノイドが残り、そこに赤色のアントシアニンが生成されて赤または紫に変わっていく。色の違いは糖分や有機酸とアントシアニンの結合程度によるようだ。
トウネズミモチの剪定跡 (横浜市旭区鶴ヶ峰鶴ヶ峰本町公園) 2022/12/04以前はこれを伐採と見做していて、葉も残さず幹を切ればそのうち枯死するものと思っていた。そのくせ何故根こそぎにしないのかとも考えなかった。なお、右手前の樹木は剪定されていないトウネズミモチの林に続いているが、奥の方の樹木は別種が混じっているようである。
トウネズミモチの葉とヘクソカズラの果実 (横浜市旭区大池町こども自然公園) 2023/01/08ヘクソカズラの臭いはメルカプタン類と総称される硫黄化合物で、ペドロシドやアルブチンなど大便やスカンクのおならに含まれる成分と似たりよったりのものである。鳥などに食べてもらうため熟してくる秋になると実は臭わなくなるし、そもそも葉をちぎったり未熟な実を潰さないかぎりは臭わない防御用の臭いだ。ただ、虫食いの葉はよく見るし、ヘクソカズラを専門に食べる昆虫も存在する。様々な薬効で全草が民間薬として用いられてきたようだ。
トウネズミモチの剪定跡 (横浜市旭区鶴ヶ峰鶴ヶ峰本町公園) 2023/08/27昨年丸坊主に強剪定された数十本のトウネズミモチのほとんどは、1年経つと枝葉を伸ばして夏にはプールの目隠しの役目を果たしており、もはや剪定の跡も見えなくなってきている。環境が変わらなければ木本は古く単純なシステムゆえに再生力も強い。植物の進化史としては千年生きるような木本が先に出現し、1年草のような草本は白亜紀後期に出現したと言われている。ただ環境は激変することがあり、その場合には長命よりも短命の世代交代の方が遥かに有利である。
剪定後のトウネズミモチ (横浜市旭区鶴ヶ峰鶴ヶ峰本町公園) 2023/10/14このトウネズミモチは樹皮に小さな白いキノコをたくさん付けており小枝も見当たらない。剪定の失敗かもしれないが、メマツヨイグサやコセンダングサに囲まれ、ヌルデに迫られ、フジの弦に巻き付かれ、生存競争に負けているのかもしれない。
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