Yellow Roof 's Museum
クスノキ (クス、ナンジャモンジャ、樟) クスノキ目クスノキ科 Cinnamomum camphora
春の落葉 (東京都大田区平和島公園) 2022/04/14いつの間にか地面が枯葉で埋まっていた。見上げれば青々とした枝ばかりで枯れ木もない。見渡しても振り向いても延々と枯葉が落ちている。どこから来た枯葉か見当がつかずに取り敢えず写真を1枚撮った。
通勤路 (東京都大田区平和島公園) 2022/05/11一昨年辺りから、この公園でも勤務先でも一眼レフやデジカメではなく、手軽なスマホで写真を撮る人を頻繁に見かけるようになり、違和感もなくなっていた。この日、歩きながらスマホのシャッターボタンを押してみた。
クスノキ (東京都大田区平和島公園) 2022/05/11これはクスノキを意識して撮った最初の写真である。ただ、この日は始めから通勤経路を記録しておくつもりで、22枚の写真はどれも胸の前でスマホを構えてほぼ画面を見ずにシャッターボタンを押している。
クスノキの葉 (東京都大田区平和島公園) 2022/05/23まだ他人に見られていないと確認しないとシャッターを押す気にならない。通行の邪魔にもならず、レンズを向けるのも植物なら不審には思われない。そうと分かってはいても、辺りを警戒しながら撮っていては却って挙動不審になる。
駐車場の木々 (東京都大田区平和島公園) 2022/06/07近ければクスノキの見当ぐらいは付くが、ちょっと離れるともう判らなくなる。クスノキを見分けるためには、他の木の特徴もある程度は掴まないとそもそも区別することができない。
クスノキの根方の雑草 (東京都大田区平和島公園) 2022/06/20画質設定は「8K」でレンズも掃除しているのにどう撮っても白ボケして焦点も合っていない。18日から21日までの間ずっとそうした状態が続いたが、後で「背景ぼかし」モードというものがあることに気づくことになる。
歩道橋の風景 (東京都大田区平和島公園) 2022/06/24最も高い木がクスノキで、赤みがあるのがニワウルシ、手前の歩道橋の下に淡黄色にけぶっているのがトウネズミモチである。環七と羽田線の立体交差を囲む200メートル四方ほどの緑地は東京都建設局の管理になる。植えられたものも多いと思うが、野生化しているものも多いだろう。そもそも街路樹や生垣に使うような樹木は放っておいても育つし、成長も速い。
高平橋の両脇のクスノキ (東京都大田区平和島公園) 2022/06/24写真が酷い出来だったのはスマホが古くなって不調になったためではなかった。カメラは写真やビデオに容易に切替えできるようになっているが、その一つに「背景ぼかし」がある。「背景ぼかし」は写真にソフト的に被写界深度をつけて手前のものだけ浮き上がるように写るもので、そのため保存速度が遅くなり、遠いものが全てぼやけてしまう。自分のように目が悪く周囲が明るいと画面上の違いがわかりにくい。
北側のクスノキ (東京都大田区平和島公園) 2022/06/248K画像でも元画像を見るとどこにもピントが合っていなかったりする。解像度が高いほど光量や焦点距離が重要となり、自分も対象物も静止していないとブレが酷くなる。
南側のクスノキ (東京都大田区平和島公園) 2022/06/24この日からは既に新しいスマホで撮っているが、歩きながらではかなりぶれが酷くなる。といってシャッター速度を上げると、解像度が悪くなる。1500万画素から4800万画素にレンゾ解像度が変わると様々な違いが出てくる。
クスノキの葉 (東京都大田区東海) 2022/07/05大風で千切れたクスノキの葉を拾って写真を撮った。クスノキの葉は揉んでみると樟脳の臭いがする。小学館の『葉で見分ける樹木』(林将之著)によると、クスノキ科の葉は根元近くでくっきり三叉に分かれている葉脈が特徴だが、それだけだと同じ科のシロダモやヤブニッケイと区別しにくい。その三行脈に小さな膨らみが2つあるのがクスノキで、ダニが住んでいることもあるのでダニ小屋とかダニ部屋とかいうらしいが、それも無いことがある。葉の縁が波打つことが多いのもクスノキの特徴とある。このダニ室には樹液を吸う植物性のダニが比較的多く、クスノキは植物性のダニをエサに肉食性のダニをおびき寄せて身を守ってもらう共生関係があるらしい。形状の方はそのうち見慣れてくるはずだ。根元がくっきり3つに分かれて周りが波打っていればクスノキの可能性は高い。
歩道橋沿いのクスノキ (東京都大田区平和島公園) 2022/07/11いつもの道はいつもと同じで何も変わらない。いつもの木はいつもと同じにしか見えない。しかし、変わらなかったのはいつの間にか仮初めの世界にいたからなのかもしれない。踏み出したばかりの現実の世界は、懐かしい少年時代からの続きのように待っていた。
クスノキの若い果実 (東京都大田区平和島公園) 2022/07/11クスノキの若い実は初めて見た。自分が知りたいことは誰かの知識ではなく、自分が見たいものは他人の撮った写真でもない。子供の頃は確かにそうだった。
クスノキの若い果実 (東京都大田区平和島公園) 2022/07/11目の届かない枝に実があるかもしれないが、全てのクスノキが実を付けるわけではない。若い木や健康状態が悪い木、剪定されたばかりの木など、必要なエネルギーを蓄え、条件が整うまでは花は咲かない。
クスノキの根本に生えるオオシロカラカサタケ (東京都大田区平和島公園) 2022/07/21今年も雨が続いてから1本だけ白いキノコを見つけた。同じような時期に同じような悪天候が続いた日に、昨年と同じクスノキの根方に生えていた。今年は低い手すりを跨いで何枚か接写してみた。もしかすると毎年同じように生えていたのかもしれない。
クスノキの緑の果実 (東京都大田区平和島公園) 2022/08/22初めからクスノキの果実に気づいたわけではない。通い始めて何年も経ったある年に黒い実に気づき、その後は見つけられていなかった。見える範囲に実を付けている木がなかったのかもしれないが、1センチ弱くらいのもので注意しないと見えはしない。熟して路上に落ちた黒い実も他の果実や枯葉と入り混じればただのゴミにしか見えない。
モミジバフウの樹皮とクスノキ (東京都大田区平和島公園) 2022/09/13樹皮では葉ほどは区別できない。一瞥してクスノキだモミジバフウだと決めつけるのは簡単だが、見上げるとまるで違う葉が付いていることがある。図鑑に掲載される写真が標準的な樹皮に過ぎないことは実践を重ねて判っていくことである。
クスノキ並木 (東京都大田区平和島公園) 2022/09/20写真を撮るための時間は朝夕の5分、10分程度である。しかも9月中頃からは帰りは暗くなり家路を急ぐだけである。自分にとって写真の価値は第一に視覚情報である。精細さは必要なのでピンボケは削除するが、二度と撮れないようなものは残している。
クスノキの緑の果実 (東京都大田区平和島公園) 2022/09/26写真に撮ればはっきり見えるが、通勤中は時速5~6キロほどで歩いている。大きく枝を広げているクスノキも通り過ぎるのは秒単位である。クスノキだけでなくエノキの葉も入り混じっている。この速度では実の存在を知っていても見つけることができない。
クスノキの樹冠のハクセキレイ (東京都大田区平和島公園) 2022/10/25このハクセキレイは番いらしく、見ている限りずっと行動を共にしていた。ハクセキレイの平均寿命は野生下では1年ほどと考えられているが、鳥獣保護法のため飼われてもおらず記録らしい記録が見つからない。
クスノキの黒い実と葉芽 (東京都大田区平和島公園) 2022/10/26クスノキの葉の中にいきなり黒い実が1つ目に付いた。全体的に段々と黒くなっていくのかと思っていたのだが、そうではなく個々別々に黒ずんでいくようだ。
モミジバフウとクスノキの樹皮 (東京都大田区平和島公園) 2022/10/31クスノキ林の間隙には様々な樹木が植えられており、主なものを挙げれば、ヤマモモ、マテバシイ、トウネズミモチ、ネズミモチ、ハコネウツギ、クヌギ、アオキ、アベリア、トウカエデ、アキニレ、モミジバフウ、イロハモミジ、ハルニレ、シャリンバイとなる。
クスノキの果実 (東京都大田区平和島公園) 2022/11/01平和島公園内の遊歩道沿いに見上げてみると5~6本のクスノキに黒い実が付いていた。実践経験を重ねるほど認識力が磨かれて、遠くからでも気づくようになっていく。
クスノキ(左)とモミジバフウの樹皮 (東京都大田区平和島公園) 2022/11/01このところ典型的な樹皮であればクスノキと見当が付くようになってきてはいるが、当たるのは8割ぐらいのものだ。つまりは典型的なクスノキの樹皮しか判らない。この写真では右がクスノキに見えるが、実際にはモミジバフウである。
クスノキの樹木番号 (東京都大田区平和の森公園) 2022/11/10樹木番号は樹木を個別に管理するために付すもので、樹木用ナンバーテープの名で市販されてもいる。維持管理や調査、伐採や剪定、移植など目的は様々だろう。プレートに刻印されているようなものは、大田区の平成30年度包括外部監査結果報告の
【第3章第3節 道路維持費】や国土交通省の国土技術政策総合研究所
【街路樹再生の手引き】にもあるようなチェックシートで樹木番号ごとに細かな生育状況を調査把握して管理を効率化させていく狙いがある。ちなみに大田区のマークは「大」と「田」を組み合わせたデザインである。
クスノキの葉芽 (東京都大田区平和島公園) 2022/11/15クスノキの果実ばかり気にかけていると葉芽の方には気づいていてさえ注意が向かない。これは欠点というよりも、人の知覚がそういう風にできているのだと思う。だが、一度気づけば次には気づきやすくなる。
クスノキの果実 (東京都大田区平和島公園) 2022/11/17クスノキの花や実は葉とは別の花柄(かへい)に付く。花柄はもっぱら養分を送ってほぼ光合成をしないので、紫外線から組織を保護するアントシアニンの色が目立つ。
クスノキの果実 (東京都大田区平和島公園) 2022/11/17クスノキの果実は8ミリ以上ある。熟すと柔らかくて指先で簡単に潰れる。葡萄のような薄皮の下はやはり葡萄のような半透明の果実で、これが葉と同様に樟脳臭い。
クスノキの果実と紅葉 (東京都大田区平和島公園) 2022/11/29クスノキは常緑樹なので紅葉はしないが、新陳代謝は行われている。常緑の広葉樹の場合には葉の寿命は1年から2年ほどだそうだ。天気が悪く気温が低い日が続けば一斉に落葉させて新しい葉に変えた方が生産効率が上がることもあるだろう。
クスノキの若枝 (東京都大田区平和島公園) 2022/12/09赤色のアントシアニンは主に葉で生産されており、成長に有害な紫外線を吸収して若い組織を保護している。アントシアニンは成長と共に減少していき、やがて薄い樹皮からクロロフィルの緑色が透けるようになり、樹皮が厚くなるにつれて見えなくなっていく。
クスノキの幼木とサザンカの花 (東京都大田区大和大橋) 2022/12/2110メートルと離れていないサザンカの植え込みにもクスノキが生えており葉が入り混じっている。種を運んできた鳥はハクセキレイかもしれないと思っている。海辺の大和大橋付近でもよく見掛けるのだ。
ヘクソカズラとクスノキの果実 (横浜市旭区今川町今川公園) 2022/12/30サルトリイバラの果実が近くにあってこれもそうだと思って撮ったが、よく見ればヘクソカズラである。ヘクソカズラは万葉集に屎葛(クソカズラ)の名が見え、別名の灸花(ヤイトバナ)は実の先の萼の跡が灸の跡に見えることから来ているそうだ。冬になって鳥の声がうるさいほどのところでも実がかなり残っている。
モミジバフウとクスノキの果実 (東京都大田区平和島公園) 2023/01/31地面に転がるモミジバフウとクスノキの果実は何ヶ月にも亘って見ることが出来る。多くのクスノキが結実していても、実が付くところは高い位置だけだったり、日当たりの良い側面だけだったりして人の視線からは目に入らない。
クスノキのスズメ (東京都大田区平和島公園) 2023/03/08国立環境研究所の2022年の調査報告によれば、「2015 年以降、スズメやヒバリ等の農地や草地といった開けた環境でよく見られる鳥の記録個体数の減少率は1年あたり 7.4%と急激に低下していた」とされる。舗装路ばかりになり、イネ科の種子を啄いたり、砂浴びするための地面は、今や公園の中である。
クスノキのスズメ (東京都大田区平和島公園) 2023/03/08それでもスズメは人里にいて、毎日のようにその囀りが聞こえ、姿を目にする。スズメにとっては、人の生活圏にいれば、猛禽類やヘビなどの捕食者が少ないという利点がある。毎朝、駅にごく近い常緑樹の葉陰に群れているのを目にする。そこは、町の灯りや喧騒が捕食者たちを追いやり、冬も温かい寝床になるということだろう。
クスノキの落葉 (東京都大田区平和島公園) 2023/03/23クスノキは春になると一斉に落葉する。そう思っていたが、実際には常に葉は新たに入れ替わっていて地面の上には常に多少の枯葉は落ちている。ただ、クスノキは四季のうちでも早春に落葉が多いとは言える。
クスノキの蕾 (東京都大田区平和島公園) 2023/03/24去年とは段違いに蕾を付けたクスノキが多い。もちろん樹冠の方までは見えないので、低い枝に蕾が目立つということである。昨年よりは気温が高いからかもしれないが、クスノキの真新しい剪定跡を見かけなかったので花を咲かせるエネルギーが溜まったということかもしれない。
クスノキの切株 (東京都大田区平和島公園) 2023/03/31見た目では生命活動が見られないクスノキもあるが、診断しなければ復活の可能性があるかどうかは分からない。切株に除草剤を注入した跡があってもヒコバエを生やしている樹木もある。植物は傷ついたり折れたりするとカルスを形成して身を護り、樹木などは必要とあらば傷が癒えて準備が整うまで休眠状態に入ることもあるそうだ。
クスノキの剪定 (東京都大田区平和島公園) 2023/04/19このクスノキは花壇のもので、ぽつんと1本だけ剪定されている。日陰を作ってしまうためと思われる。通行の邪魔だからと人の背より低い枝は剪定され、老木は危険だからと剪定され、花壇に陽が当たらないからと剪定される。長屋門公園のように裏山をそのまま公園にしたような自然林に近いところでは植物層は安定するものの見かけ上は凡庸になる。
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