マサキ (オオバマサキ、ナガバマサキ、コバマサキ、ボウシュウマサキ、ヤクシママサキ) ニシキギ目ニシキギ科 Euonymus japonicus
フイリマサキ
(東京都大田区平和島公園)
2022/05/24
フイリマサキは平和島公園の外周に何本も植わっており、いくつかの木に名札がある。「フイリ」は「斑入り」の意味で、本来無い色の模様のことを指す。この場合は黄色で、金色のフイリマサキをキンマサキと呼ぶこともある。
フイリマサキの蕾
(東京都大田区平和島)
2022/06/16
写真に小さな蕾が写っていることに気が付いたのはずっと後のことである。通勤中に何年も横目に通り過ぎていても葉の模様にしか気づかないのは、現実を見ているのではなく固定化された認識パターンを現実に当て嵌めているからである。植物は、というより現実は変化するものである。
フイリマサキ
(東京都大田区平和島公園)
2022/06/20
「フイリ」は漢字で「斑入り」と書き、葉の本来の色ではない模様が浮き出たものを指すという。マサキは遺伝や病気や害虫、環境など様々な要因でも斑入りの葉に変わったりするようだ。
フイリマサキ
(横浜市旭区南希望が丘)
2022/06/26
街路樹ではなくフェンス沿いに並んで繁茂しているフイリマサキを見て、子供の頃によく見かけていた生垣と同じだと初めて思い至った。剪定の形といった全体の形状を憶えただけで識別と勘違いすることもある。1枝や1枚の葉を見てマサキと判るのは遠い先かもしれない。
フイリマサキの蕾
(横浜市旭区南希望が丘)
2022/07/02
この写真にもフイリマサキの蕾が写っていて、やはりその場では気づかなかった。葉の模様しか見ていないということだ。こんなことだと斑入りでないマサキも見逃してしまいそうだ。
フイリマサキ
(東京都大田区平和島公園)
2022/11/02
マサキは雌雄異株とされていたり雌雄同株とされていたりすることもあるが、実が付いたり付かなかったりする不完全雌雄異株である。雌雄同株でなければ雌雄異株と決まっているわけではなく、これまで雄株だったものが突然実を付けたりすることもあり、これを不完全雌雄異株と称する。ニシキギ科の中では他にマユミも一般的には雌雄異株だが、雄株が雌株に変わることもあるらしい。
フイリマサキ
(東京都大田区平和の森公園)
2022/12/20
フイリマサキの葉は対生だが、まれに互生や三輪生もあるらしい。植物の葉が互い違いに生える互生か、一箇所から左右に分かれる対生か、あるいは輪のように生える輪生かということは、ごく初歩的な植物の見分け方の一つだが、そうした見方をする習慣は意識していないとなかなか身に付かない。
マサキの果実
(横浜市旭区今宿南町)
2022/12/30
マサキの果実は子供の頃に生垣から採って手慰みに分解したりしたこともある。ネットでマサキの写真を見てもピンとこなかったが、現実に目の前で見ると一度に記憶が蘇る。現実の情報量は圧倒的である。
マサキの林
(横浜市旭区今宿南町)
2022/12/30
大量の果実を付けたマサキの雌木の林は、ほんの少し前までは雑木林に過ぎなかった。多少は剪定されていると思うが、これがマサキの自然樹形に近いのかもしれない。
フイリマサキの花
(東京都大田区平和の森公園)
2023/05/17
昨年の12月には実もついていなかった株に花が咲いていた。どうにもピントが合っていない。撮る腕もあるとは思うが、海が近いからか真夏以外の朝夕は多少の風があるので収まるのを待つこともたびたびで、しかも通勤途中だから取り敢えず撮ってしまうことが多いのだ。
ベンコマサキの葉芽
(川崎市幸区さいわいふるさと公園)
2026/03/18
直立する枝と極端に密集する葉を持ったマサキの変種をベンコマサキ(弁慶柾)という。キンマサキ、ギンマサキ、ベッコウマサキ、そしてこのベンコマサキは、接ぎ木や挿し木で増やしていくクローンである。野生下では、次世代に同じ形質は引き継がれにくい。ただ、同時にそれは先祖返りを起こすということでもある。
ベンコマサキの葉芽
(川崎市幸区さいわいふるさと公園)
2026/03/18
ベンコマサキは枝が垂直に立ち、葉柄と葉柄の間が狭い。枝が伸びれば間に葉芽が次々とできて葉が緻密に重なり合う。弁慶正木の名は弁慶の立ち往生から来ており、門柱脇や狭い空間の目隠しとして用いられてきた。ただ、放っておけば先祖返りの枝ができる。形態を保つなら剪定するしかない。
ベンコマサキの葉芽
(川崎市幸区さいわいふるさと公園)
2026/03/18
こちらはフイリ(斑入り)で、園芸的にはフイリベンケイマサキということになる。マサキは元々海岸沿いに自生する種で、潮風や乾燥、塩害や直射日光といった環境変化に対して、柔軟に適応するために枝や葉を変化させることで適応してきた。その変化を人が観賞価値として切り取って引き継いできたということである。
Yellow Roof 's Museum