Yellow Roof 's Museum
カラタチ ムクロジ目ミカン科 Poncirus trifoliata
カラタチの果実 (東京都大田区平和島公園) 2022/10/25カラタチは中国原産で奈良時代からの外来種だが、日本に自生地は少ない。五島市の頓泊のカラタチ群落が県の天然記念物となっている程度である。カラタチの長く鋭い棘は、防犯目的の生垣として広く用いられ、柑橘類を接ぎ木する台木として利用され、童謡や歌謡曲にも歌われた。しかし、今では見かけなくなってきた。
カラタチの果実 (川崎市幸区創造のもり) 2025/09/22仕事からの帰路、夕暮れの公園で3年ぶりに見かけたカラタチは、他の植栽の陰で小さな果実を付けていた。初めはカリンの未熟な果実かと思ったが、枝の相違に気付いて写真を撮った。
カラタチの若い果実 (川崎市幸区創造のもり) 2025/09/26狭い小径の途中に2つ、生垣の途切れ目に赤い三角ポールが立っている。カラタチは、2つ目から垣間見える3~4メートルほどの低木で、枝に釘状の棘があり、直径5センチ内外の果実が7~8個実らせている。左右はヒイラギ、背後にイロハモミジ、上はイチョウの枝が覆っている。歩道側の枝は剪定しているようである。
カラタチの若い果実 (川崎市幸区創造のもり) 2025/09/26あまり通らない細道に、カラタチがあることには、2年以上気づかなかった。イチョウの実に気づいて、低い枝に実がないか見渡して、ようやくこの実に気が付いた。棘も最初は未発達の小枝かと思った。枝にめりこむようにして膨らんだカラタチの実には、棘に阻まれて小動物は近づかないだろう。
カラタチの若い果実 (川崎市幸区創造のもり) 2025/09/26この公園と隣接するさいわいふるさと公園では、年に何度も自然観察会が開かれる。2つ合わせてもさほど面積は広いとは言えない人工の公園ではある。しかし、この2年数ヶ月で撮った植物だけでも300種以上ある。おそらく意図的に、多彩な植物を植えているのだろう。
カラタチの若い果実 (川崎市幸区創造のもり) 2025/09/26カラタチにはトゲナシカラタチやフイリカラタチなどの変異種もあるが、これは本種のカラタチである。果実のいくつかに、齧り取られたような跡がある。鋭く長い棘を避けて登ることができる小動物がいるとすれば、このあたりではタイワンリスかネズミだろう。しかし、容易に近づけるのは鳥類である。
カラタチ、ヒイラギ、イロハモミジ、イチョウ (川崎市幸区創造のもり) 2025/09/29カラタチは農地や人家のように人が管理する土地で連綿と生き残ってきた。しかし、零れ種で野生化はしても、日本の植生の中では競争力が低く、自生には至らないようである。ただ、現在でも台木として利用している農家もあり、野生動物を防ぐために栽培している農家もある。枝を巻き付けて果樹を守るそうである。
カラタチと三角ポール (川崎市幸区創造のもり) 2025/09/29カラタチの細い幹が何本も纏まって生えている。やや太い幹もあるが、弦のように細い幹が多い。密に生えるため防犯用や野生動物の防護用として利用されてきた。しかし、この公園では展示品であり、三角ポールを置いて安全に配慮している。
カラタチの除伐 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2026/02/05果実が全て落ちてから1週間ほど経って、カラタチは剪定されていた。除伐や植替えの跡を見つけると、改めて、管理者がいるということを思い出す。つまり、人がいなければ、ここにカラタチがあるはずもなく、アズマネザサが生えてくることもなかったかもしれない。
カラタチの除伐 (川崎市幸区さいわいふるさと公園) 2026/02/05この辺りの公園は、旧国鉄の新鶴見操車場の跡地に造られた。見えているものは、造園技術と市民の園芸活動の集積ではある。しかし、環境や生態系を完全に制御したり、人の居住空間と線引きしたりすることは不可能で、相互に干渉し合う境界は絶えず変化し、見定めることはできない。
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