クチナシ (コリンクチナシ、センプク、ヤクシマクチナシ) リンドウ目アカネ科 Gardenia jasminoides
クチナシ
(東京都大田区大和大橋)
2022/06/15
クチナシという言葉からは、『くちなしの花』という歌と渡哲也しか思い浮かばず、長い間その花がどういう花かも知らなかった。言葉そのものには実態がない。
クチナシの葉
(東京都大田区大和大橋)
2023/02/01
クチナシは常緑樹で、冬には枝先の若い葉ほど葉緑素の緑よりもカロテノイドの黄色が目立つ。カロテノイドには葉緑素が吸収しきれない波長の光エネルギーを補足し、光合成を補助する役目もある。葉が朽ちる際にも黄変するが、これは分解の速い葉緑素が減り、残ったカロテノイドの黄色が目立ってくるからである。
クチナシの名札
(東京都大田区平和島公園)
2023/02/17
一度の観察とキャプション付けぐらいでは、植物の特徴と名前は結びつかない。実物とその名は別次元で、今のところ、クチナシの言葉から連想的に浮かぶのは、まず『くちなしの花』の歌であり渡哲也である。名ではなく葉からだけでは、同じような革質で光沢のある葉を持つ様々な植物が思い浮かぶ。
クチナシの花
(横浜市旭区今宿南町)
2023/06/10
クチナシの花弁は基本的には6枚だが、雄蕊や雌蕊が花弁に変化した八重咲きのヤエクチナシもある。自然に発生することもあるだろうが、町で見かけるものはたいてい八重咲きの園芸品種である。
クチナシの果実
(横浜市旭区今宿南町)
2023/11/12
クチナシの果実は熟しても裂け目ができず、穴(口)が開かないことから、中身を出す口が無い実として「口無し」と名付けられたとする説がある。黄色い色素(クロシン)が豊富に含まれており、古くから染料や食品の着色として用いられているが、包丁で切れ目を入れたり金槌やすりこぎ棒で叩いて割るしかないらしい。
クチナシの果実
(横浜市旭区今宿南町)
2023/11/12
果実の稜や萼が何かに齧られた跡がある。果実は硬いが、柔らかい稜や萼は虫や鳥、あるいは小動物の餌になる。果実の表面にも穴のようなものがある。これは嘴で啄かれた跡だろう。
クチナシの果実
(横浜市旭区今宿南町)
2023/11/12
葉にも齧り取られた跡がある。これはオオスカシバなどの昆虫の幼虫の仕業だろうか。実ができているからには、これは八重咲きのクチナシではなかったのだろう。
クチナシの花
(横浜市旭区希望が丘水の森公園)
2024/06/30
八重咲きのクチナシは人為的に植えられたものだが、クチナシ自体は在来種で、東アジアに広く分布している。自分の行動範囲で野生化しているクチナシは見たことがないが、静岡県以西では自生しているようである。
クチナシの花
(横浜市旭区今宿南町)
2026/05/31
厚みがあり革質で光沢のある葉だが、裏から見ると葉脈や葉肉から太陽光が通り抜けているのが見える。葉焼けを防ぐために過剰な光はクチクラ(ワックス)層で弾かれて光沢となり、光合成で青色や赤色の波長は吸収されて、それ以外は裏側から通り抜ける。葉の中で散乱してすり抜けていく光もある。
Yellow Roof 's Museum