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ベニバナセンブリ リンドウ目リンドウ科 Centaurium erythraea

ベニバナセンブリの花
ベニバナセンブリの花 (川崎市幸区) 2024/06/07
根本に纏った長い葉(根生葉)はベニバナセンブリとされているものにそっくりではある。ベニバナセンブリとハナハマセンブリは識別困難と言われている。根性葉がロゼットを形成していればベニバナセンブリとされていたり、ベニバナセンブリにもロゼットを形成しないものがあるという観察もある。

ベニバナセンブリの花
ベニバナセンブリの花 (川崎市幸区) 2024/06/07
ベニバナセンブリは1年草~多年草とされており、一方、ハナハマセンブリは1年草とされている。花弁の色が濃く、中央の白いところがはっきりしているのがハナハマセンブリと言われているが、花弁が白っぽいものが隣り合わせに咲いていたりもする。

ベニバナセンブリの花
ベニバナセンブリの花 (川崎市幸区) 2024/06/07
葉が幅広く丸みを帯びたハナハマセンブリの特徴を示すものもある。雑種なのだろうか。

ベニバナセンブリの花
ベニバナセンブリの花 (川崎市幸区) 2024/06/07
ベニバナセンブリは、7月~9月が花期とされている。ハナハマセンブリは6月~7月とされている。どこの地方の何年前の話だろうか。海外では両種の中間型、つまり雑種が普通に見られることも認められており、そもそも同一種の寒冷地型と温暖地型の可能性もある。最近では、両種は遺伝子型が異なるという報告もある。

ベニバナセンブリの根生葉
ベニバナセンブリの根生葉 (川崎市幸区) 2024/06/07
根本に大きめの丸みを帯びた根生葉がある。これは葉の形状としてはハナハマ型である。混在しているのだろうか。

ベニバナセンブリの花
ベニバナセンブリの花 (川崎市幸区) 2025/06/17
自分としては、ロゼッタが形成されていようとなかろうと、ベニバナセンブリということにしておこうかと思う。少なくとも、ここに来年も生えてくれば同じ植物である可能性は高い。交雑可能なら同じ種族だろう。そもそも遺伝子は絶対的なものではない。交雑するから環境変化に適応できる種が生き残ってきたのである。

ベニバナセンブリの花
ベニバナセンブリの花 (川崎市幸区) 2026/06/11
ヨーロッパ、特にオランダやベルギーでは、Centaurium erythraea × pulchellumと同定される雑種の大規模な個体群が報告されている(2023~2025年)。DNA解析では、葉緑体の遺伝子はハナハマ型で、核の遺伝子はベニバナ型だったそうである。

ベニバナセンブリの花
ベニバナセンブリの花 (川崎市幸区) 2026/06/12
オーストラリアでは、中間型は普通に見られ、両種を区別することが難しい場合があり(Castlemaine Flora)、中間的な形態に時折出会うことがあるという(VicFlora)。

ベニバナセンブリの根生葉
ベニバナセンブリの根生葉 (川崎市幸区) 2026/06/12
日当たりがいい株にはロゼッタは見られないが、木陰の株にはロゼッタらしきが残っている。この地でも雪は降るが、寒帯ではなく温帯である。冬を越すためのロゼッタはさほど必要はなく、一年草でも十分に子孫は残せる。葉緑体がハナハマ型、核はベニバナ型。環境の違いによる適応戦略ではなかろうか。


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